出場枠拡大前倒しか? FIFAが“忖度”する中国マネー918億円
ロシアW杯で中国が存在感を見せている。といっても、広告の話だ。スタジアムの看板や公式インタビューの背後に映し出される漢字表記のスポンサーのロゴが話題になっている。中国は今大会に未出場ながら、いずれも中国企業のもので、日本企業は一つもない。
W杯のスポンサー契約は3種類ある。最上位スポンサーである「FIFAパートナー」は、飲料大手のコカ・コーラなどの世界的企業に加え、中国不動産大手の「大連万達集団」が新たに加わった。スポンサー料は1社年間約200億円とされる。
1大会ごとに契約する「FIFA W杯スポンサー」には、東芝のテレビ事業を買収した家電大手「海信」、乳製品メーカー大手「蒙牛」、通信業「維沃移動通信」が参入。料金は100億円前後だ。
「アジア地域スポンサー」には、アパレル企業「帝牌」、バイクメーカー「雅迪集団」、娯楽企業「LUCI」の3社が名を連ね、それぞれ約22億円となっている。
FIFAの収入は2兆円。そのうち3割がスポンサー料だ。前回大会で中国企業は1社のみだったが、今大会は合計15社中7社。今大会で中国企業が支払う広告費は総額918億円だというから、ロシア大会の屋台骨は中国が支えていると言っても過言ではない。今やFIFAの最も大事な“お得意さま”なのである。