W杯決勝進出でデシャン評は不動 気になるジダンの再就職先
フランス国民は複雑かもしれない。
母国がベルギーを下して準優勝した2006年大会以来の決勝進出。20年ぶり2度目の優勝に前進する一方、サポーターの多くが待望する英雄の代表監督就任が遠のくことになるからだ。
「ジダン(46=顔写真)です。母国開催の98年W杯でフランスを初優勝に導いた、言わずと知れた大英雄。そのジダンが今W杯開幕直前の5月末にRマドリードの監督を突然退任した。レアルを率いて前人未到のCL3連覇を成し遂げながら自ら辞任を決断したことで、国内では次回20年カタールW杯に向けてのフランス代表監督就任の機運が一気に高まった。そういう空気の中で迎えたロシアW杯でフランスが12年ぶりの決勝進出。デシャン監督の評価は不動のものになり、交代させる理由はなくなりましたから」(サッカーライター)
現にフランス協会幹部も「20年までデシャンが率いることが決まっている。ジダンと交渉するなら20年以降の話になる」と早々に否定している。
そこで、浮上しているのが次回W杯の開催国となるカタール代表監督就任の可能性だ。10年に理事投票が行われ、日本も立候補していた18年、22年大会の招致活動で、ジダン氏はカタールの招致大使に就任。中東初のW杯招致に大きく貢献した経緯がある。開催が決まって「アラブ諸国のための勝利だ。招致にかかわったことを誇りに思う」と喜んだジダン氏は、カタールでも英雄視されているだけに、ホスト国の監督としてW杯を経験して、その次の24年大会でのフランス代表監督就任に備えるというのは、十分にあり得る話というわけである