燕バレを巧みに“操縦” 本塁打量産の裏に宮本ヘッドあり
この日は無安打に終わったが、15日現在、29本塁打、94打点。ともにリーグトップで、打点は2位に20点以上の大差をつけているのがヤクルトのバレンティン(34)だ。
陽気な性格だが、審判のジャッジにイラ立つことも。昨オフは自由契約を取り沙汰されながら、石井打撃コーチが「残してほしい」と直談判。宮本ヘッドコーチの厳しい指導にも食らいついて、シーズンを迎えた。
それでも時々、やる気のないスイングや守備を見せる。ヤクルト一筋8年目という居心地の良さから、甘えやサボり癖をのぞかせるのだが、そんな気分屋助っ人について、宮本ヘッドは「バレンティンの集中力が途切れること? それが一番面倒くさいですよね」と苦笑しつつ、こう続けた。
「ちょっと走ったら、みんなが『バレンティンは一生懸命にやっている』と思ってくれるのは大きい。やらせるところはやらせないといけないですから。守備練習もカードの1、2戦目だけしっかりやらせて、3戦目だけは免除してあげたりしている。そこは年齢もあるし、バランスをとりながらやっています」
先月には女房や娘たちが来日。家族水入らずの時間が増え、精神的なよりどころにもなっているが、好調の裏側に宮本ヘッドの手綱さばきがあることは見逃せない。