著者のコラム一覧
田中浩康

1982年、京都生まれの36歳。尽誠学園高(香川)、早大を経て、04年自由獲得枠でヤクルト入団。17年にDeNA移籍し、18年限りで現役引退。プロ通算14年、1292試合出場、1018安打、歴代5位の302犠打をマーク。二塁手としてベストナイン2回(07年、12年)、ゴールデン・グラブ賞1回(12年)。

パットンは僕の名字をイン ザ ライス フィールドと訳した

公開日: 更新日:

 助っ人選手ともコミュニケーションを取りました。先発のウィーランドが「京都観光に行きたいんだけど、おすすめのスポットはあるかい?」と尋ねてきたことがあります。僕が京都出身ということまでリサーチしていたみたいで、僕は市内を流れる鴨川沿いのレストランを紹介しました。

 すると後日、彼は野毛(横浜市)の飲食店に連れて行ってくれました。今話題の歓楽街で、いずれは「野毛デビュー」したいと思っていたものの、ウィーランドがアシストしてくれるとは、思いもよらなかったです。

 リリーフのパットンは、日本を理解しようという姿勢がひしひしと伝わってきました。僕が自己紹介をしたとき、「タナカ」という言葉をただ覚えるだけでなく、「in the rice field」(田んぼの中)と訳して、言葉の意味まで理解しようとしたのには驚きました。

 ある試合で、パットンがリプレー検証の判定に抗議し、退場処分を受けました。彼を止めに入ろうとした僕は思わず審判に、退場のコールが早すぎるのではないか、と確認しました。

 翌日の試合前、パットンが僕に声をかけてきました。審判とのやりとりを見ていたのでしょう。内容を説明すると、納得したような表情を見せました。そして僕は最後に「落ち着いて」という日本語を片言の英語を交えながら教えました。それからパットンは、僕とすれ違うたびに笑顔で「オチツイテ」と言うようになりました。

 そんなチームメートの中で、僕が移籍した直後に親睦会を開いてくれたのが、キャプテンの筒香嘉智です。実は嘉智とは彼がまだ小学生の時に会ったことがありました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭