竹田氏辞任はIOCの意向…バッハ会長は隣に並ぶのを拒否
JOCの竹田恒和会長が退任を表明した背景には、五輪のイメージダウンを懸念するIOCの強い意向があったようだ。
仏有力紙「ルモンド」(19日付電子版)は、退任表明は、「IOCのバッハ会長が東京五輪まで1年を祝う7月24日のイベントへの出席を拒否したことがきっかけではないか」と指摘。そのうえで「バッハ会長は、竹田氏の隣に並びたくなかった」と報じた。
また、竹田会長を五輪招致をめぐる贈賄の疑いで捜査してきた仏司法当局は19日、NHKの取材に対し、「退任表明は何も変えない」と語り、竹田会長の退任表明は裁判を開くかどうかを審査する「予審手続き」に影響を与えることはないとの見解を示した。
「予審手続き」は、予備的な捜査を行った検察の請求に基づき、捜査権を持つ予審判事が裁判にかけるかどうかを判断する制度。その開始はフランスでは、重みのある司法判断とされている。「嫌疑あり」と判断されれば、日本の起訴に相当する「公判請求」が行われる。仏司法省の2017年の統計では、容疑者の8割が裁判にかけられている。