琴ノ若が史上初の3代関取に 大相撲で親子関取が少ないワケ
9年ぶりの「親子関取」誕生である。
5月場所で好成績を上げ、7月場所で新十両となる琴ノ若(21)。元関脇の先代琴ノ若(51=現佐渡ケ嶽親方)は、父であり師匠という間柄だ。しかも、祖父が元横綱琴桜だから、3代関取になる。
親子で関取になったのは、これが歴代10組目。2010年に十両になった佐田の海の父も、三役を経験した同名の関取だった。
相撲部屋のシステムを考えれば、この10組目という数字は決して多くはない。相撲部屋は師匠の自宅を兼ねるケースがほとんどで、その息子ともなれば幼少期から相撲に親しむ環境にある。親の血を引いているということは、そのセンスも期待できる。にもかかわらず、力士の息子が成功した例は上記の通り、少ないのだ。
■せめて大学くらいは…
評論家の中澤潔氏は「最近はともかく、昔は親子力士自体が少なかったように思える」と、こう話す。
「時代の変化もありますが、昔の稽古は今のそれより、よほど厳しかった。残酷と言ってもいいくらいでしたから。そうした稽古に耐え抜いた父親にすれば、『オレが味わった苦しい、つらい思いを子供にさせたくない』と思うのは、親心として無理もありませんよ」