琴ノ若が史上初の3代関取に 大相撲で親子関取が少ないワケ

公開日: 更新日:

 昔は「進学はせず、相撲で一旗揚げる」と、出稼ぎ目的で力士になる者も多かった。だからこそ、我が子には「大学くらいは出てもらいたい」と思うのが人情というもの。まだ暴力指導がまかり通っていた時代とあれば、なおさらだ。「力士は叩き上げが一番」と言う親方が子供に相撲を取らせず、大学に進学させるのも理解できる。

 それでも、親子力士は徐々に増えてきている。現在は他のスポーツと同じように、親方衆も稽古の意図などをかみ砕いて教える傾向にある。大学相撲を経て、角界入りする親方も増えてきた。昨年は大卒力士だった尾上親方(元小結浜ノ嶋)の息子や、元関脇黒姫山の孫といった力士が相撲部屋の門を叩いている。大鵬の孫で貴闘力の息子の納谷も、幕下ながら将来が期待されている。

「90年代の若貴ブームの影響も大きいですね。親子関取どころか、子供2人が横綱ですから。地方地方で身体能力に優れた子をスカウトしていた時代と違って、今は太りすぎて他のスポーツができないから相撲を選んだ……という力士が少なくない。そうした子らに比べれば、2世力士は親の血を引いており、父も親方なら環境にも恵まれている」(前出の中澤氏)

 新弟子の質、量ともに下がっている現在、親方の子供が力士にならないのはもったいない話だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…