前日194球完投の佐々木温存し4強 大船渡監督の“深謀遠慮”
まさかのエース抜きで勝利をつかんだ。
22日の岩手準々決勝・久慈戦。大船渡の佐々木朗希(3年)はずっとベンチにいた。試合は接戦。何度も登板のタイミングが訪れたが、投手はおろか、野手としても出場しなかった。
前日の盛岡四戦は延長12回を194球完投。連戦となったこの日の先発は、初戦にリリーフ登板した大和田健人(3年)だった。4―2とリードして迎えた七回、その大和田が同点に追いつかれたものの、八回から登板した2番手・和田吟太(3年)が4回無失点と力投。十一回に勝ち越し、4強入りを果たした。
国保監督は前日の疲労を考慮し、佐々木抜きで試合に臨み、勝利した。佐々木だけに頼らないチームづくりを目指し、この大和田、和田を含め、佐々木以外に4投手を用意し、夏を迎えたとはいえ、その時点で負けたらすべてが終わる。先発した大和田は公式戦での登板は初戦のリリーフ登板の1回のみ。今夏最大の注目を浴びる大船渡が負けるだけでも、応援している学校関係者や地元民、ファンのショックは計り知れない。その上、佐々木を温存して負けようものなら、大きな波紋を呼んだだろう。