ビーチW杯初戦 日本“残り0.5秒”から劇的勝利も次戦に課題
「ワールドカップには魔物が住んでいる。どこの国が相手でも楽に戦えるわけがない。パラグアイ戦もそう。簡単に勝てると思ったら大間違い」
指揮官が、大会前から予言してきたコトがピタッと当たってしまった。
ワールドカップ・パラグアイ大会の初戦(11月21日午後9時キックオフ)は、試合終了0.5秒前まで想定外のドロー決着の様相を呈していた。
攻撃系の奥山正憲、茂怜羅オズ、赤熊卓弥らの活躍によってラモス瑠偉率いる日本代表は、序盤から試合を優位に進めていった。第3ピリオドの27分のことだった。
自陣ゴールライン付近で相手選手のタックルで倒され、ムクッと起き上がった時、大黒柱オズの頭の中には「思いっ切りゴールを狙おう」という意欲が、沸々と沸き上がってきたという。
「このシュートの前のFKは(ゴールの上を)超えて行ってしまった。次は(ゴールの)枠を捉えようと(前よりも)低いボールを蹴りました」
短い助走から右足を鋭く降り抜くとボールはうなりをあげながら飛んでいき、ピッチ真ん中を超えた辺りからホップするような軌道を描き、ゴール右上隅ギリギリのエリアに吸い込まれていった。