今季J開催は非現実的…コロナ重症化リスクを専門家が警鐘
金よりも人命を第一に考えるべきだ。
緊急事態宣言が5月末まで延長され、各スポーツ団体は、競技の開幕、再開、大会開催などのタイミングを探っている。
Jリーグの村井満チェアマンが最短で6月13日の再開を掲げているなか、ロイター通信は、身体的距離を保てない、高強度の(息が完全に上がるような運動を必要とする)競技では新型コロナウイルスの感染や、重症化するリスクが高いことを報じた。
運動中の呼吸は肺までウイルスを招き入れやすいことや、例えばサッカーの試合にウイルス感染者が1人交じっていた場合、他選手たちは平均して1分28秒間はその選手と“密接”する時間があることを紹介している。
アスリートの呼吸器に詳しい、新潟大学特任教授の田中純太医師がこう話す。
「通常、新型コロナウイルスは喉→気管支→肺、というように段階を踏んで体の奥に侵入していきます。途中で治ればいいのですが、肺まで到達すると肺炎などの症状を引き起こします。一方で高強度の運動の場合は激しい呼吸を伴うので、ウイルスをいきなり肺まで招き入れてしまう危険性がある。突然肺炎が発症するわけですから、これは危険です」