37歳の守護神・川島永嗣が見据える“トップ・オブ・トップ”
「自分が求める最高の形を求め続けるのが自分の道」と口癖のように言う彼のことを<メンタルモンスター>と評する仲間もいる。
「GKは年齢を重ねて出せる良さがありますね。ベテランになると体力的な部分を指摘されがちですけど、今は本人の努力次第でいくらでも維持できる。30代半ばを迎えたノイアー(バイエルン)を見ても、確実性は上がってますよね。彼の技術や戦術眼は依然として世界最高レベルですけど、セーブの確率を上げるポジショニングやボールの止め方が、以前にも増して良くなっていると感じます」と常日頃からトップ・オブ・トップの観察を欠かさない。ここまでの向上心を持ち続けられる守護神は、そうそういない。だからこそ川島は南アフリカ、ブラジル、ロシアと3度のW杯の舞台に立てたのだ。
森保一監督も帯同した川口能活U―23代表GKコーチも、高度な経験値には一目置いている。
それをより研ぎ澄ませるためにも、やはりクラブで試合に出ることが先決。GKは一度、出番を失うと再浮上するのが極めて難しいが、必ずチャンスが来ると信じて努力するのみ。それが川島の生きざまなのである。