吉田正尚に4番託した真意…打順変更の都度、監督室で対話
プロ入り当初から、打撃は素晴らしかった。
2015年ドラフト1位で入団した吉田正尚は、スイングスピードが速く、力強かった。今季94打席連続で無三振だったように、バットに当てる技術や対応力にもたけていた。
1年目からレギュラーとしての力は十分にあったけれど、1、2年目は腰痛との闘いが続き、規定打席には到達できなかった。強く振れる分、腰への負担は小さくなかった。2年目のオフに腰などを手術したこともあり、3年目の18年には全143試合に出場。打率・321、26本塁打、86打点の好成績を挙げ、チームに欠かせない存在となった。
私が監督に就任した19年は、こちらから打撃についてアレコレ指導するレベルの選手ではなかった。その一方で、一年間プレーし続けてもらうために、常日頃から腰の状態に細心の注意を払っていた。
コーチ、トレーナーと密にコミュニケーションを図りつつ、本職の左翼に加え、守備での負担を減らすために指名打者と併用した。腰の状態があまり芳しくない時は、代打で1打席のみという日もつくった。