松山英樹のお値段は? サウジの新リーグ「スーパーゴルフリーグ」の“契約金”を予測する
デシャンボー本人は否定しているものの、サウジ側はトータルで15億ポンド(約2349億円)を用意しているといわれている。デシャンボーといえば、「プロゴルフを変える」と豪語。肉体改造に励み、筋肉のよろいでふた回り以上も体を大きくして、パー5のホールで1オンを狙ったりする異色のゴルファーだ。彼が旗振り役になるなら、「スーパーリーグの顔」にピッタリではないか。
昨年のマスターズに勝った松山とデシャンボー(2020年全米オープン)のメジャータイトルは1つずつ。世界ランクも同等なら、松山の「値段」が5000万ポンド(約78億円)以上は堅いだろう。
デシャンボー以外では、リー・ウェストウッド(世界40位)とイアン・ポールター(同62位)に、それぞれ2200万ポンド(約34億円)のオファーがあったという。
勧誘については秘密厳守のため選手たちは沈黙を守っているが、表に出ている金額は当たらずとも遠からずとみている。
ノーマンの構想には、テレビを意識して、ショットガン方式で試合を行う計画もあると聞く。ゴルフ中継をダラダラと流すのではなく、4時間ですべてのラウンドを終わらせる考えとみた。4時間のショットガン方式なら1組2人で18ホール、36人参加が妥当だろう。1人の選手が全試合に出場するわけではないだろう。ならば、少なくとも50人と契約する必要がある。ミケルソンの話を信じれば、アジアンツアーの今季開幕戦「サウジインターナショナル」に参戦した木下稜介(世界74位)や金谷拓実(同58位)にも声がかかっていることになる。新ツアーの関係者はタイガー・ウッズにもオファーを出しているそうだ。今のウッズは満身創痍。昨年の車の大事故の後遺症もあり、かつての面影はない。全盛時なら10億ポンド(約1560億円)の契約でも不思議ではない。
それにしても、参戦するだけで数十億円もの大金が約束されているのなら、試合でどこまで本気になれるのか。サウジは人権軽視も問題にされている。新ツアーが開幕すれば、世界から批判の矢が飛んできそうな予感もする。
(ゴルフライター・吉川英三郎)