権藤博さんから交代を告げられ、ベンチ裏の控室に入るなり床にへたり込んで動けなかった
九回のピンチをしのいでベンチに戻り、投手コーチの権藤博さんから声を掛けられたとたん、一気に肩の力が抜けた。
交代か……はぁ……。
1試合目は絶体絶命のピンチで16球、2試合目は42球を投げた。連投してアイシングもしていなかっただけに、トレーナーから「とにかく、早く……早くケアしよう」と促されてベンチ裏のトレーナー室というか控室へ。部屋に入るなり床にへたり込んだまま動けなかった……。
ここから先は見たわけではないから人から聞いたり、後にニュースや新聞などで知ったりしたことだ。
十回表、近鉄の攻撃は無得点に終わった。この時点で試合開始から4時間まで残り3分、新たなイニングに入ることは不可能だった。事実上、リーグ優勝は消滅した。
そして十回裏、ロッテの攻撃を無得点に抑えて試合終了。時計の針は22時55分を指していた。2試合で計7時間33分に及んだ戦いは終わった。
「終わった……4対4の引き分け……」