横浜移籍1年目の沖縄キャンプの夜に「ハマの大魔神」が声を掛けてくれた
横浜に移籍して1年目の沖縄・宜野湾キャンプ。
最初の休日前夜、那覇の中心地の松山で投手会が行われた。ほとんどの球団でやることで、ルーキーや移籍選手の歓迎会を兼ねている。
会場は大ぶりの牛タンを串で食べさせる店。私や新人は挨拶をし、飲んで食事をして歓談して……場は大いに盛り上がり、投手会はいったん、お開きになった。
近鉄や巨人のキャンプ地は宮崎だったし、沖縄でキャンプをするのは初めて。親しい知り合いがいるわけでも、付き合いのある店があるわけでもなかった。食事会が終わって、さて、これからどうしようかというタイミングで声を掛けてくれたのが守護神の佐々木主浩だった。
「阿波野さん、これからどこに行くんですか? 知ってるところあるんですか?」
「いや……沖縄も知らないし、特には……」
「それなら、僕と一緒に行きませんか?」
佐々木は当時プロ9年目。沖縄で世話になったり、一緒にゴルフをしたりするような知人や友人が多かった。佐々木と休日前夜に会うことを楽しみにしている後援者たちもいて、そこに一緒に行かせてもらうことになった。スナックのような場所で、飲んで騒いだ記憶がある。