タイリーグ序盤の大一番 石井監督率いる三冠ブリーラムから王者のプライドが伝わってきた
2022年のタイ1部リーグ序盤のビッグマッチで「三冠王・テリブル」が底力を見せ付けた。
2021~22年シーズンのリーグ戦、カップ戦、FA杯を制して三冠を達成したブリ-ラム・ユナイテッドが9月4日、本拠地のサッカー専用スタジアム「チャーン・アレナ」に20~21年シーズンの覇者BGパトゥム・ユナイテッドを迎え撃ち、試合終了直前の劇的同点弾でドロー決着に持ち込んだのである。
■日本人監督対決は地元でも注目された
この試合はブリーラムを率いる石井正忠監督(元鹿島などで指揮)とBGパトゥム・手倉森誠監督(元五輪代表、仙台などで指揮)の<日本人指揮官>対決でもあった。
試合の1点目は想定外の展開から生まれた。
前半26分。右からクロスに対応し切れなかったブリーラムの主将DFナルバディンが、ボールを左足の向こうずねに当ててしまい、まさかのオウンゴール献上でBGパトゥムに先制を許した。
3万2600人収容の4階建てスタジアムのスタンドを八割方を埋めた地元サポーターの溜息の余韻が残る中、ブリーラムは追加点を奪われてしまう。
失点のわずか3分後。ブリーラムのCB2人が相手CFをマークを外し、右からのクロスをヘディングで叩き込まれてしまったのである。
後半が始まるとブリーラムが攻勢を強める。
地元チームの1点目は「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」判定の末に生まれた。
右CKからの混戦でブリーラムの主軸FWボリンギがペナルティーエリア内で倒され、これがVARの審議対象となってPKが宣せられたのである。
攻守の要としてチームを支えているMFカウジックが、ゴールのど真ん中に度胸満点のPKを蹴り込んだ。