タイリーグ序盤の大一番 石井監督率いる三冠ブリーラムから王者のプライドが伝わってきた
微妙なVARに不満は拭えず
微妙なVAR判定に対する不満を隠しきれないBGパトゥムの選手たち。
熱烈な地元サポーターの前で敗戦は許されないブリーラムの選手たち。
互いの意地がぶつかり合い、激しい局地戦が展開された。ファウルの応酬となる場面も増え、主審がイエローカードを掲げるたびに両チーム選手がエキサイト。
激しいつば迫り合いが続いた後半も45分が経過。インジュアリー・タイムにブリーラムの同点ゴールが決まった。
左CKの流れからFWボリンギが頭を落としたボールをゴール右45度の位置にいた23歳のFWスパチャイが足元に収め、右足で強烈シュートを放つとボールはGKの手を弾きながらゴールネットを突き刺さった。
■勝ち点獲得に安堵して倒れ込む
身長183センチのタイ代表選手にチームメートが先を争って抱きつく。スタジアムからは地鳴りのような大歓声が沸き起こり、スタンドとピッチは一異様な興奮状態となった。
ドロー決着を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響くとブリーラムの選手たちは、疲労困憊と勝ち点1ゲットに安堵して倒れ込む。BGパトゥムの一部選手たちが、審判団を取り囲むようにして不平不満をアピール。
実に好対照の光景がピッチ上で展開された。
先に記者会見場に現れたBGパトゥムの手倉森監督は「(両チームに対する)ファウルの出し方と(反則の)カードの出し方の基準がフェアじゃなかったような。どちらのファウルか、際どい場面で(BGパトゥムの)ファウルとなり、選手が怒鳴らないで意見を求めただけですかさずイエロー(カード)が出る。そんなストレスの掛かる試合で選手たちは最後までよく戦ってくれた」とコメント。進行役がメディア陣に「何か質問は?」と言うと手倉森監督は、苦笑いして「ないでしょ」と言いながら席を立った。