森保Jは決勝Tに“赤信号”…スペイン戦は「翻弄されるシーンばかりが増える」と識者が予想
吉田、鎌田の起用は危険
森保ジャパンが決勝トーナメント進出を決定付けるには、強豪スペイン相手に大金星を挙げるしかない。大一番でキーポイントとなるのは「中盤で繰り広げられる主導権争い」と話すのは、元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏。
スペインの基本布陣は4(DF)─3(MF)─3(FW)。「中盤の逆三角形」の底の位置に34歳のいぶし銀MFブスケツが入り、その前方で18歳のMFガビと20歳のMFペドリが、攻守に躍動しながら「日本に立ちはだかる」と前出の中山氏がこう続ける。
「2人とも高い技術を持ち、ペドリはピッチ全体を縦横無尽に走り回りながら、局面で激しくファイトできる。ガビは自由な発想力と柔軟なボールさばきでチャンスメークし、果敢にシュートも狙っていく。この3人はバルセロナ所属なので<あうんの呼吸>で連係プレーを構築できるのも強みです。彼らをきっちりとマークしない限り、日本選手が翻弄されるシーンばかり増えるでしょう」
ガビは、大会初戦のコスタリカ戦でチーム5得点目を「18歳110日」で決め、W杯歴代年少得点記録の3位にランクイン。この日のドイツ戦は無得点に終わったが、コンディションも良好。キレ味鋭いプレーでドイツ選手を手玉に取るシーンも多かった。要注意だ。
アタッカー陣では、コスタリカ戦に続いてドイツ戦でもゴールを決めたFWモラタを筆頭にFWのオルモ、アセンシオ、F・トーレスも好調をキープしている。
日本は、主将を務めるCB吉田がコスタリカ戦で失点につながるパスミスを犯し、試合後に「たくさんの批判が起こるのは覚悟の上」とコメントしていたが、W杯最終予選やテストマッチでも致命的なチョンボをやらかしてきた。
「森保監督が、調子の上がらない選手を<ピッチに送り出さない勇気>を持てるかどうか、これもスペイン戦の勝敗の行方を左右する」と元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう続ける。
「年齢的な衰えが急な吉田はスピードの低下も明らか。相手FW陣のターゲットとなっている。不安材料です。ドイツ戦に続いてコスタリカ戦でも持ち味を発揮できず、それどころかミス連発でチームの足を引っ張った鎌田も、スペイン戦で起用するのはリスクが大きい。指揮官の決断力も試されるでしょう」
スペインに負けた時点でグループリーグ敗退が決まる。キックオフは日本時間12月2日午前4時である。