37歳モドリッチが象徴するクロアチア「不屈」の国民性 粘り強さが同国サッカーの伝統に
それにしても、クロアチアのしぶとさは特筆すべきものがある。
決勝トーナメント(T)初戦の日本戦に続き、延長・PK戦の末にブラジルを下した。グループリーグからほとんどスタメンは変わらず、スタミナが消耗しているはずなのに、粘り強く走って守って、優勝候補の本命にも土をつけた。PK戦勝利の立役者は日本戦の3本と合わせて4本のシュートをセーブし、1大会でのPKストップのタイ記録をつくったGKリバコビッチにほかならないが、六川亨氏はこう言う。
「準優勝した前回ロシア大会も決勝T1回戦から準決勝まで3試合連続で延長戦を戦い、そのうち2試合をPK戦でものにしている。決して派手さはありませんが、攻守に穴がなく、どんなに消耗しても崩れない。欧州では『負けないチーム』との評価が定着している。まさにその通りの戦いぶりです。旧ユーゴスラビアのサッカーは『東欧のブラジル』と称されるものの、ブラジルになぞらえるテクニックや創造性はセルビアがたけていて、クロアチアはどちらかといえばフィジカルの強さ、しぶとさに特色を持った国です。ダリッチ監督は『最後まで粘り強く戦う国民性』と話していますが、心身のスタミナに裏付けされたしぶとさ、粘り強さはクロアチアサッカーの伝統になったと言っていいと思います」