制服と革靴で3連続本塁打した清原しかり…第一印象が大事、一回惚れた選手はずっと惚れたまま
西武は1985年ドラフトで6球団競合の末に、PL学園高の清原和博(西武、巨人など)の交渉権を獲得した。
しかし、担当スカウトだった鈴木は清原を密着マークしていたわけではなかった。
「清原は(中学野球の)岸和田リトルシニアから、私が今、中学生に野球を教えている長野・飯田にある高校に進学する可能性もあったそうです。PL学園には投手として入ってきて、身長はすでに180センチ以上あり、とにかくデカかった。お姉さんは学力レベルが高い大阪市立大学に行っていたから、頭もいいだろうなと。練習や試合はチェックしたけど、ずっとは追いかけていません。そもそも誰が見たって素晴らしい選手ですし、PLには2年後輩の立浪和義(現中日監督)ら逸材が揃っていました。他校にもチェックしないといけない選手はたくさんいましたから」
鈴木は清原に限らず、第一印象を大事にした。
「あまりプロの注目を集めていない選手も含めて、初めて見て、この子いいなと思った選手は、上位候補であれ下位候補であれ、最後までずっといいんです。一回惚れたら、ずっと惚れたまま。僕が担当した選手はみんなそうです。あとは見守るくらいですね。そして、最後のスカウト会議で推すか推さないか。スカウト部長がダメと言うか言わないか、それだけです。何度も繰り返しチェックしていると、短所があるんじゃないか、などと疑いの目で見てしまいかねない。それが一番よくないんです」