笹生優花が精神力でもぎ取った全米女子オープンV2 勝因は「いつもと別人だったメンタル」
「これは手を焼くな……」
笹生優花と渋野日向子のワンツーフィニッシュで幕を閉じた今年の全米女子オープン。初日にコースを見たとき、即座にそう思ったものです。アップダウンが激しく、フェアウエーと硬いグリーンは傾斜も強い。ピンに向かって打ったナイスショットがグリーン奥のラフまで転がってしまう。キーホールとなった12番パー3は果敢にピンを攻めれば、グリーンに乗ったボールも手前のクリークへ吸い込まれる。世界最強のN・コルダでも3度もクリークに落とし、最終日はM・リーのボールが水の中へ沈み、優勝争いから脱落しました。
2021年の今大会を19歳で制した笹生は飛距離は出るし、アイアンの精度も高い。アプローチも多彩でいくつ勝ち星を重ねるかと期待したが、この3年間はまさかの未勝利。勝つチャンスがありながら、ひとつのミスから崩れるシーンを何度も見てきました。
今回も6番パー3で4パットのダブルボギー。「またか……」という思いがよぎり、「ここは耐え時だぞ」と思わず口にしたほどです。
その後はいつになくグリーン上で集中力を発揮。バック9の4バーディーにつなげました。安定感のある世界ランキングの上位陣が軒並みスコアを崩す中、精神力でもぎとったビッグタイトルといえます。笹生はこれで一皮むけるのではないでしょうか。