藤田寛之さんと宮本勝昌さんが激突した昨年の日本シニアOP 同門の先輩後輩で日頃は仲良しでも…
昨季シニアツアー賞金王の宮本勝昌さん(52)のバッグを初めて担いだのは2000年ぐらいから。当時は藤田寛之さん(55)の専属でしたが、試合がないとき、「俺のキャディーやる?」と声をかけてくれたのが始まりです。2人は芹沢(信雄)さんに指導を受ける同門プロ。千葉オープン(OP)などでキャディーをやったとき「梅のおかげでいい成績だったよ。やりやすかった」と言ってもらえてうれしかったことを覚えています。
宮本さんはいつも朗らかで温厚です。藤田さんも性格は穏やかですが、ボヤキ癖があるんです(笑)。当時は藤田さんの運転手も兼ねており、愛車に「ナビ」がついていませんでした。試合会場へ向かう道を間違えると「梅、いつ着くんだよ」とこぼすんです。そこで宿舎で夕食をとった後、道を下見するため「30分かかるけど、ゴルフ場まで行ってみるか」と、ひとりで真っ暗な道を往復したことは一度や二度ではありません。周囲は真っ暗闇ですから翌朝は道をよく覚えておらず、「あれ? ここ右折だったかな」と、そんなことがよくありました。
同門2人が直接対決したのが昨年の日本シニアOP。宮本さんは首位で最終日を迎え、1打差の藤田さんと2サムの最終組。宮本さんのキャディーで藤田さんを倒すことは恩返しになる。そう思って臨みました。1番バーディーで幸先いいスタートを切るも、前半の3ボギーで波に乗れず、結局、藤田さんが優勝。宮本さんは3打差6位に終わりました。