心臓病
-
心臓にトラブルを抱えている人の正しいエアコンの使い方
酷暑から解放され、朝晩は過ごしやすくなってきました。とはいえ、9月に熱中症で救急搬送された人の数を見てみると、2020年は全国で7085人、21年は2355人となっていますから、やはり注意が必要です。 熱中症ももちろんですが...
-
心臓トラブルがある人は「熱中症」が重症になりやすい
お盆を過ぎてもまだまだ暑い日が続いています。引き続き「熱中症」への警戒が必要です。とりわけ心臓にトラブルを抱えている人は、健康な人よりも注意しなければなりません。 熱中症とは、気温と湿度が高い環境下で、体内の水分や塩分が失わ...
-
カテーテルを行う外科医は確実に合併症なく改善できる治療を続けることが大切
前回、「PAD(末梢動脈疾患)」と呼ばれる疾患についてお話ししました。足の血管に生じた動脈硬化によって血管が細くなり、足に十分な血液が流れなくなることで発症し、悪化すると、足に潰瘍ができたり、壊死から切断に至るケースもある病気です。...
-
PAD(末梢動脈疾患)の治療は最初から「足の専門科」で受けたい
近年、「PAD(末梢動脈疾患)」と呼ばれる疾患が注目されています。足の血管に生じた動脈硬化によって血管が細くなり、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です。はじめは歩行時の足のしびれや痛み、冷感などの症状が現れ、進行すると...
-
暑い夏は立ち上がったときの急激な低血圧に気をつけたい
夏は血圧が低下する季節です。気温が上昇すると体内にも熱がこもるため、その熱を放散しようと血管が拡張します。また、汗をたくさんかくと血管内の水分と塩分が失われ、血液量が減少します。こうしたことから血圧が下がりやすくなるのです。 ...
-
心臓トラブルがある人は眼疾患の「緑内障」にも気を付けたい
心臓疾患が緑内障の発症と関係している──。そんな研究が日本で報告されました。 三島総合病院眼科の鈴木幸久氏らの研究では、緑内障の中でも多い開放隅角緑内障の患者581人(男性285人、女性296人)と、緑内障のない595人(男...
-
心臓手術を受ける患者に腎機能障害があるケースが増えている
高齢化が加速している近年、心臓手術を受ける患者さんが、同時に「腎臓」のトラブルを抱えているケースが増えています。中でも、多く見られるのが「CKD」と呼ばれる慢性腎臓病です。 CKDは、腎臓の働きが健常者の60%以下に低下、ま...
-
死亡事故も起こったロボット手術はよりたしかな安全性の検証が必要
近年、普及が進んでいる「手術支援ロボット」を使った肺がんの手術で医療事故が起こり、60代の男性患者さんが死亡していたことが5月末に発表されました。 報道によると、2020年10月に大阪の吹田市民病院で実施された「ダヴィンチ」...
-
課題はあってもロボット手術はさらに応用される可能性がある
前回に続き「手術支援ロボット」についてお話しします。1999年に発売された米国メーカーの「ダヴィンチ」は、2億~3億円の販売価格に加え、年間の維持費が1000万~2000万円かかること。また、ロボットアームだからこそ可能になる複雑で...
-
国産も登場したロボット手術 さらに広まるためには課題がある
「手術支援ロボット」が日本でも広まっています。1999年に発売された米国メーカーの「ダヴィンチ」に続き、2020年8月には国産初となる「hinotori(ヒノトリ)」が製造販売承認されました。現在、ダヴィンチは全国で450台以上、ヒノ...
-
米国で心不全の治療に推奨された糖尿病治療薬の期待と課題
米国心臓病学会、米国心臓協会、米国心不全学会が共同で編集した「心不全診療ガイドライン2022年版」が発表され、心不全の薬物治療で「SGLT2阻害薬」の使用が新たに「推奨」として加えられました。 SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬...
-
人工心臓は莫大な費用がかかる 再生医療の進化に期待したい
超小型ポンプを内蔵したカテーテル装置を心臓の左心室内に留置し、心臓のポンプ機能を補助して血流を維持する新しい補助人工心臓について、前回お話ししました。 人工心臓はいまも進化を続けていて、さらなる小型化が実現すれば、心臓が全身...
-
カテーテルによる補助人工心臓はさらに進化する可能性もある
去る4月、日本で承認されたばかりの補助人工心臓を使った心臓手術が大阪警察病院で実施されました。「IMPELLA(インペラ)」と呼ばれるデバイスの新モデルで、超小型ポンプを内蔵したカテーテル装置を心臓の左心室内に留置し、心臓のポンプ機...
-
心臓にトラブルがある人はマスクによる低酸素に注意する
ゴールデンウイークが終わり、新型コロナウイルスの感染が再び増加傾向に転じています。オミクロン株は95%近くが無症状だという海外の報告もありますが、何より感染しないことが重要です。感染対策のためにマスクを外せる日は、まだ先になりそうで...
-
新型コロナの後遺症で心臓血管疾患のリスクが大きく上がる
新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にありますが、まだまだ気は抜けません。一部の地域では第6波のピークを上回っていますし、大型連休を迎えるなど人流が増えることで、感染のリバウンドも予想されます。 現在、感染の中心になって...
-
ドナー不足解消の手段として「異種移植」は大いに期待されている
前回、末期の心臓疾患で治療の手だてがなかった57歳の男性にブタの心臓を移植した、米国での「異種移植」についてお話ししました。人体で拒否反応が起こらないよう遺伝子操作して作られたブタの心臓が使われた手術でしたが、残念ながら術後2カ月で...
-
自覚症状がない患者に納得して治療を受けてもらうために必要なこと
病気で治療を受けている患者さんは、さまざまな不安を抱えています。心臓手術を受ける患者さんも、当然ながら不安でいっぱいでしょう。 たとえば、手術のために必要な全身麻酔は不安材料のひとつといえます。 私は昨年11月、魚類...
-
脈の乱れは「心房細動」のサイン 知っておきたい5つのリスク
3月9~15日は、心房細動週間だった。推定患者数100万人超の心房細動は不整脈の一種だが、症状や対策を知らない人が多いのでは? 京都府立医科大学循環器内科学不整脈先進医療学講座の妹尾恵太郎講師に心房細動について聞いた。 不整...
-
「胎児」の心臓手術は医師も機材も高い技術が必要になる
2021年7月、母親のお腹の中にいる赤ちゃんの心臓手術が国内で初めて行われ、無事に成功したことが同12月に発表されました。 臨床試験としてこの手術を実施した国立成育医療研究センターによると、赤ちゃんは重症の「大動脈弁狭窄症」...
-
アスリートのドーピングで使われる心臓治療薬はいくつもある
3月4日に北京冬季パラリンピックが開幕し熱戦が繰り広げられていますが、先に閉幕した北京冬季五輪では、女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手(ROC=ロシア・オリンピック委員会)のドーピング違反が騒動になりました。 ワリ...
-
パンダの心臓治療では人間と同じ処置が行われている
2021年春、神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」(26歳・メス)が心臓疾患疑いで治療を続けていることが公表されました。一時は観覧が中止されていましたが、現在は条件付きで再開されているとのことです。 報道による...
-
スポーツをしている人は「二尖弁」かどうかを確認しておきたい
サッカー選手をはじめ、アスリートが若くして心臓トラブルに見舞われ、中には突然死につながるケースがある。その原因のひとつとして「冠動脈起始異常」が考えられると前回お話ししました。 冠動脈起始異常というのは、心臓に栄養や酸素を送...
-
サッカー選手に相次ぐ心臓トラブルの一因は「冠動脈起始異常」の可能性
昨年11月、Jリーグの湘南ベルマーレに所属していたブラジル人MFのオリベイラ選手が、23歳の若さで「うっ血性心不全」により急逝したことが公表され、ファンを驚かせました。うっ血性心不全は、心臓のポンプ機能が急激に弱くなり、全身に血液を...
-
1週間の入院生活で感じた「感染対策」と「病院食」の重要性
前回、昨年11月初旬に小腸閉塞を起こして1週間ほど入院した時の体験談をお話ししました。その際、2000年代に入って発展した小腸内視鏡検査とカプセル内視鏡検査を受け、身をもって医療の進歩を感じることができました。 ほかにも、入...
-
小腸閉塞で入院 最新の内視鏡検査を体験し身をもって進歩を感じた
昨年の11月初旬、小腸閉塞を起こして1週間ほど入院を経験しました。医師から患者の立場になり、あらためて気づかされることがいくつもありました。 事の起こりは、腹部の違和感でした。朝、コンビニエンスストアで購入したサラダを食べた...
-
大掛かりな手術か低侵襲か…どちらかしかできない医師が増えている
前回、心臓の「肉腫」の手術についてお話ししました。悪性腫瘍である肉腫はいわば心臓にできるがんで、できる限り予後を良好にするためには心臓や血管にできた腫瘍を手術ですべて取り切ることが重要です。もしも取り残してしまうと、早期に再発・転移...
-
「肉腫」の手術は腫瘍を残らず切除して心臓を“再建”する
画像診断の進歩もあって、「肉腫」の患者さんの手術対応が増えていると前回お話ししました。 悪性腫瘍である肉腫はいわば心臓にできるがんで、生命予後が悪い病気です。それが、進化した心臓エコーなどの画像診断により、状態が悪化して移動...
-
画像診断の進歩で「肉腫」の治療にあたる機会が増えている
近年、心臓にできる悪性腫瘍である「肉腫」の患者さんを診る機会がじわじわと増えています。以前は数年で1人いるかいないか程度でしたが、最近は年間で数人の患者さんが当院を訪れ、必要な手術対応を行っています。 そもそも、心臓にできる...
-
高齢でもLDLコレステロールを下げると心血管病を防げる コロナ禍で改めて注目
長期にわたるコロナ禍で、生活習慣病の管理があらためて注目されている。高血圧、高血糖、高コレステロールといった生活習慣病を抱えていると重症化しやすくなるうえ、日頃の活動量が低下していることでそれらの管理がおろそかになり、心血管疾患の発...
-
冬の脱水を防ぐ水分摂取は「出た分を補充する」を心がける
前回、空気が乾燥している冬は「脱水」を起こしやすいので要注意というお話をしました。脱水状態になると、血液の量が減るうえに粘度も上がり、血液が流れにくくなります。心臓は、そんな血液を体全体に送るために心拍数を増やすので、負担が増大する...