PAD(末梢動脈疾患)の治療は最初から「足の専門科」で受けたい
近年、「PAD(末梢動脈疾患)」と呼ばれる疾患が注目されています。足の血管に生じた動脈硬化によって血管が細くなり、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です。はじめは歩行時の足のしびれや痛み、冷感などの症状が現れ、進行すると休みながらでなければ歩けない「間欠性跛行」が起こったり、安静時でも痛みが生じるようになります。さらに悪化すると、足に潰瘍が出来たり、壊死から切断に至る場合もある深刻な病気です。
治療は主に4つの方法が行われます。薬物療法、理学療法、血管内治療、外科手術です。PADは足以外の全身にも動脈硬化が進行しているケースが多いので、まずは動脈硬化の原因になっている高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病の管理を徹底します。禁煙や食生活を改善しつつ、抗血小板薬、血管拡張薬、抗凝固薬などを組み合わせ、血液の流れが悪くなっている虚血症状を改善します。
また、理学療法=運動療法は、医師の指導の下で速歩や軽いジョギングなどを行い、側副血行路(血流の迂回路)を発達させて血流を増加させる治療です。ただ、動脈硬化が進行していて血管が枯れ枝状になった下肢循環障害がある場合は、それほど有効ではないのが現状です。