女性ホルモンが多い男性は血栓症のリスクが低い 専門誌が報告
男性は精巣から男性ホルモンが分泌され、女性は卵巣から女性ホルモンが分泌されます。しかし、男性でも産生された男性ホルモンの一部は、女性ホルモンに変換されているので、男性も常に少量の女性ホルモンを分泌しています。
男性では加齢により男性ホルモンが低下し、それが筋肉量の低下やうつ病などの原因になっている、という考え方があります。確かに男性ホルモンは年齢とともに低下しますが、一部の変換された女性ホルモンがそれを補う働きを持っている、という考え方があります。実は閉経後の女性よりも多くの女性ホルモンを、男性は高齢になっても作っているのです。
それでは、男性にとって女性ホルモンが多いことは、健康面でどのような影響を持っているのでしょうか?
今年の内分泌(ホルモン)学の専門誌に、それについての研究結果が報告されています。遺伝子の変異からホルモンの出方を解析したところ、男性では女性ホルモンが多いほど、血液に血の塊ができる、血栓症のリスクが少なく、脳卒中のような病気も起こりにくくなっていたのです。
血液中の男性ホルモンが低いと男性更年期だ、というような説明がよくされますが、実は女性ホルモンと男性ホルモンとのバランスこそが、より重要であるのかも知れません。