各専門科から集まったチームだからこそ有効なコロナ治療法が見つけられる
「デルタ株」の登場から蔓延まではすさまじい速さで、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに続いています。コロナ患者を受け入れている順天堂医院のコロナチームのスタッフは日々尽力しています。
コロナとの闘いが世界各国で繰り広げられている中、有効だと考えられる治療について総論的にはわかってきましたが、はっきりしてるのは、エビデンス(科学的根拠)がまだまだ不足しているということです。多岐にわたる大規模な前向き研究(ある治療法を行った群と行わなかった群を比較してどれくらい治療の効果があったのかを分析する)は行われていないのが現状ですし、後ろ向き研究(病気が治った群と治らなかった群ではそれぞれどのような治療が行われていたのかを分析する)も対象の地域や民族に偏りがあり、日本では必ずしも当てはまらないケースが多いのです。
つまり、新型コロナウイルス感染症に対する治療は、患者さんが重症化すればするほど手探りの医療になってしまうということです。そのため新型コロナによる肺炎では、やや手探りのように従来行ってきた手法で合併症対策が当たった医療機関は治療成績が良好、当たらなかった施設は成績が悪いという結果になってしまっています。