東敬一朗
著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

漢方薬を飲むタイミングが「食前」や「食間」なのはどうして?

公開日: 更新日:

 漢方薬の添付文書には、「通常、成人1日○グラムを2~3回に分割し、食前(食事の30分前)又は食間(食事の2時間後)に経口投与する」と記載されていて、その通りに処方されている方が多いと思います。そこで、今回はなぜ漢方薬の飲み方は食前・食間なのかについて説明します。ただ、あくまで“おまけ”程度にご一読いただければ幸いです。

 漢方薬以外の医薬品でも、生薬由来のものがあるということを以前お伝えしました。麻黄(まおう)の主成分であるエフェドリンなどが該当します。じつはエフェドリンに限らず、こういった医薬品の飲み方は食後であることがほとんどです。では、なぜ漢方薬になると食前や食間になるのか、不思議に思いますよね。先に答えを言ってしまうと、漢方薬の飲み方とされている食前・食間には明確な根拠がないそうです。

 東洋医学である漢方薬の起源は中国です。昔、中国では漢方薬はお茶代わりに飲まれていました。お茶というと食事中にも飲んだりすると思われますが、ここで言うお茶は食事前に喉を潤したり、仕事の合間などにほっと一息つくためのお茶を意味しています。「ティータイム」のお茶と言うとイメージしやすいでしょうか。この習慣が現在になっても残っていて、そのために漢方薬の飲み方が食前や食間になっていると考えられます。つまり、漢方薬の飲み方にはあまり深い意味や明確な根拠はないということになります。

■関連キーワード

最新の健康記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2
    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

  3. 3
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4
    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

  1. 6
    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

  4. 9
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 10
    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見

    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見