著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【便の着色】黒色便の原因は薬なのか出血なのか 慎重な判断が必要

公開日: 更新日:

 前回は尿の着色について取り上げました。では、「便」はどうなのでしょうか?

 小児のロタウイルス感染における特徴として白色便が出ることがありますが、医薬品によって便が着色するケースもあります。

 有名なのは鉄剤による黒色便です。これは酸化鉄の色で、鉄剤をお茶などに入れると真っ黒に変化する様子を観察することもできます。

 黒色便は、消化管の出血によっても見られるケースがあるので注意が必要です。同じ消化管出血でも、胃潰瘍など上部消化管出血では黒色のタール便、肛門に近い痔やS状結腸がんなど下部の場合では、黒というより鮮血が混じったような便になります。肛門から遠いところの出血の場合、便に出てくるまでに時間が経過するので、赤血球のヘモグロビンに含まれる鉄が酸化して黒っぽくなるのです。

 こうしたことから、たとえば貧血で鉄剤を服用している患者さんが胃潰瘍になり、黒色便を訴えられた場合には、薬によるものか、出血によるものか、慎重な判断が必要となります。


 この他にも、尿を赤く着色するセフジニルといった抗生物質は、便でも赤い着色が見られることがあります。

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