著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【褥瘡(床ずれ)】薬で解熱しても発熱を繰り返していた原因は腰にあった

公開日: 更新日:

 以前もお話ししたように、感染症、悪性腫瘍、膠原病は3大不明熱疾患と呼ばれ、感染症では結核や感染性心内膜炎などが不明熱の原因として知られています。

 以前に、こんな患者さんがいらっしゃいました。たしか、80代くらいだったと記憶しています。クリニックで処方された抗菌薬(抗生物質)を服用してやや解熱はするものの、発熱を繰り返す患者さんでした。

 結局、原因不明で入院となり、医師はCTやMRI、血液検査などを行って発熱の原因を探そうとしました。その過程で、ひとりの看護師が、患者さんの腰に大きな潰瘍(褥瘡)を見つけたのです。そう、この患者さんの発熱の原因は褥瘡だったのです。

 褥瘡は「床ずれ」とも呼ばれ、寝返りを打ちにくい方、寝たきりの方、栄養状態の悪い方ら高齢者によく見られる疾患です。

 持続的に圧力のかかりやすい、骨の出っ張った部位にできやすくなります。あおむけで寝ているときに最も発生しやすいのは、体圧のかかる仙骨部(お尻の中央の骨が出た部分)です。また、横向きに寝ているときは大転子部(太ももの付け根の外側)などに発生しやすくなります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇