「女のいない男たち」村上春樹著

公開日: 更新日:

■女を失った男たちの孤独を描く話題の短編集

 村上春樹の久々の短編集。6編の小説には、それぞれの事情で女を失った、もう若くない男たちが登場する。

 ベテラン性格俳優、家福(かふく)は女優だった妻を数年前に亡くしている。妻は生前、夫以外の複数の男たちと関係を持っていた。(「ドライブ・マイ・カー」)
 金にも女にも不自由せずに気ままな独身生活を謳歌(おうか)している中年の整形外科医、渡会(とかい)が、人妻と初めて真剣な恋に落ちた。その恋を失ったとき、彼を待っていた残酷な運命は……。(「独立器官」)

 妻と同僚の不倫現場を目撃。妻と別れ、勤め先も辞めて、ひっそりとバーを営んでいる中年男、木野の周りで、奇妙なことが起こり始める。(「木野」)

 男と女の一筋縄ではいかない関係が、さまざまな角度から男の視線で描かれる。女たちはみな謎をはらみ、男の理解を超えている。そしてある日突然、男の前からいなくなる。
 表題作の主人公は、昔つきあっていた女の自殺を、彼女の夫から深夜の電話で告げられる。彼は思う。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」