「『理』と『情』の狭間」磯山友幸著
父と娘の戦いで話題になった大塚家具。これは実は、どこの家族経営の企業でも起こる話なのだ。
初めは〈家業〉でも、株式を上場したら社会の〈公器〉になる。創業者となるのはカリスマをもった人物が多いが、後継者となる2代目はカリスマをもっていない。だからこそ、大塚久美子氏は大塚家具をオーナー経営型から徐々に変えていこうとしたのだ。
オーナー家が会社から安定した利益を得ようとするなら、ヨーロッパのファミリー企業にならって有能な経営責任者を外から招いて会社の業績を上げたほうがいいと著者は提唱する。大塚家具の骨肉の争いから読み取るべきことを教えてくれる本。(日経BP社 1500円+税)