「男たちよ!」時代は変わったが…主夫になりたい男の現実
「男が働かない、いいじゃないか!」田中俊之著
最後は女ではなく男による主夫論。その中に50年代のアメリカでは女子大生が男に向かってわざとバカなふりをしたものだという話が紹介される。実は現代の日本でも「さしすせそ」がOLの職場術。年上の男との会話で何かといえば「さすが」「知らなかったあ」「すごーい」「先輩だから特別に」「そーなんですかあ」を連発しておけば男たちは大満足というのだ。
時代は変わらない? いやそれだけ「男らしさ」は型にはまっており、職場では男が女より上だと無意識に思いこんでいる(こまされている)のだ。
そんな思いこみが男たち自身をしばっている。そもそも男ならたとえ厳しくとも苦難を乗り越えて家族への責任を果たすべきとする考えは正しいのか、「男らしい」ことなのかと問う著者は40代になったばかりの社会学者。(講談社 840円+税)