「最後の秘境東京藝大」二宮敦人著

公開日: 更新日:

 深夜、目を覚ましたら、現役芸大生である妻が顔に半紙を貼りつけていた。自分の等身大全身像を制作していたのだ。芸大に興味をもった著者が調べ始めると……。入試の自己表現の試験で4コマ漫画を描き、ホルンでせりふを吹いて合格した人。ブラジャーを仮面代わりに顔につけ、乳首だけ隠したトップレスの姿で大学内を闊歩するブラジャー・ウーマン。表現欲に突き動かされて暴走する人ばかり。音楽科の学生は早くからバイオリンなどの練習を始めて楽器に適した体に成長する。卒業後、就職する人は1割未満。「大学院に進学」と「行方不明」が8割を占める。

 芸大のぶっ飛んだ実像を描くノンフィクション。(新潮社1400円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭