「札沼線の愛と死新十津川町を行く」西村京太郎著
雪の夜、十津川が暮らす三鷹の路上で身元不明の男の銃殺体が見つかる。被害者は現場に血で「十」の字を書き残していた。「十」の字から、男が十津川を訪ねてきたとも考えられるが、十津川は被害者の顔に覚えがない。捜査が難航する中、被害者は「十津川に招待状を届けに行った」との匿名電話が入る。
十津川は以前、招待状をくれた奈良県十津川村に連絡をするが、男は村の使者ではなかった。しかし、村出身者が移住してつくった新十津川町が北海道にあることが分かる。十津川らは廃線が囁かれる札沼線に乗って新十津川町に向かう。町に着いた十津川らは、魔法使いが出没するという噂を耳にする。
冬の北海道を舞台にしたトラベルミステリー。(実業之日本社 840円+税)