「忍者の兵法 三大秘伝書を読む」中島篤巳著
現存する数十もの忍術伝書の中から、紀州流忍術の秘伝書ともいえる「正忍記」、質量最大の「万川集海」、そして服部半蔵を源にする服部流忍術の術技が記された「忍秘伝」の3書を読み解くテキスト。
正忍記では、忍びの術を「策謀の指針であり、軍師にとっては軍略の鍵である。進退利害に関することだから、武士たるものは決してこの術をないがしろにしてはならない」と武士が心得ておくべきものであることを強調。つまり、忍者とは非武士の「忍び」と、武士の「忍士」の両方を意味する用語だという。こうした忍者の定義から、忍術の原理やさまざまな忍具、催眠術のような人心掌握術まで、忍術と忍者のすべてが分かる愛好家必読の書。(KADOKAWA 920円+税)