「捨てる女」内澤旬子著

公開日: 更新日:

 闘病を機に、それまでのなんでも収集、床積み放題の暮らしとの決別を決意した著者の断捨離をつづった面白エッセー。

 乳がんで4回の手術を体験。すると、それまで暮らしていた部屋が、「へどが出るほど見たくないものになってしまった」という。仕事の資料などが作り出すカオスに耐えられず、断捨離が始まる。手始めに、賞味期限が過ぎたドライ食品や、梅酒を飲み終わった後に放置されたままの梅などを恐る恐る口にして消費。さらに家具や本、果ては配偶者まで、捨てて捨てて捨てまくる。重荷だったイラスト原画や収集本まで手放すと、開放感ではなく喪失感に襲われうつ状態になってしまい、捨てるうちに「人生を楽しむ力」まで捨ててしまったようだと気がつく。(朝日新聞出版 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動