「カラダはすごい!」久坂部羊著
現役医師で、人気作家の著者が、人体の仕組みについてつづった面白医学エッセー。
医学は、時代とともに変化するので、あまり信用しない方がいいと断言。原因不明の発熱と発疹で死んだモーツァルトは、静脈を切って血を抜く「瀉血」の治療を受けたという。現代医学からみれば首をかしげてしまうが、脱水時以外であまり効果がない現代の「点滴」も未来の人には同様に見えるだろうという。 その他、健康診断によって逆に短命になる可能性や、利尿作用のないアルコールでトイレが近くなる理由など、身近な話題でウソがいっぱいの医学の不思議を紹介。その上で、呼吸器系から生殖器官まで、人体の各パーツの構造や機能をエピソードたっぷりに解説してくれる。(扶桑社 820円+税)