「男と女」の真理を探る本特集
「皿洗いするの、どっち?」山内マリコ著
夫婦間で発生する争いの火種の代表格に、家事の分担がある。著者の同棲時代から結婚生活までをつづった本書は、生活上発生する雑事をどう分担していくかを押し付け合った、闘いの記録だ。
皿洗いにはたいした労力は必要ないが、だからこそ一緒に暮らす男女のどちらがやるかで揉めやすい。著者の同棲時代、家賃も生活費も折半であったため、家事も当然折半で話がついていた。ところが、彼は皿洗いの当番時でもなかなか腰を上げない。ひとり暮らし経験がある男は、シンクに洗いものがたまってもさほど気にならない“汚れ耐性”がついているものだ。
一方、そんな状況が我慢できない女性は多い。見かねて皿洗いをすると彼は申し訳程度の礼を述べるが、実働で返せと激怒する著者。
本書には、著者の夫からの反論コーナーも。女性は家事の平等化を求めるくせに、力仕事は当然のように男にやらせるのは理不尽だと。既婚者なら共感度MAXの、家庭生活における男の実態と女の本音が満載だ。(マガジンハウス 1200円+税)