「男と女」の真理を探る本特集
「男も女もみんなフェミニストでなきゃ」チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ著 くぼたのぞみ訳
ナイジェリア生まれの女性作家が、「TED×Euston(アフリカに焦点を当てて開かれる会議)」で行ったスピーチ「We Should All Be Feminists」の書籍化。
アメリカの歌姫ビヨンセが著者の声をサンプリングした曲を発表したり、クリスチャン・ディオールがタイトルをロゴ化したTシャツを作ったり、スウェーデン政府が16歳の少年少女たちにテキスト全文を配布するなど、世界中で話題となったスピーチだ。
フェミニストというと、日本男児としては女性の権利を声高に叫ぶ恐ろしい人種というイメージが強い。これはナイジェリアでも似たようなもので、男嫌いで化粧もせず、いつも怒っていて、結婚もできない人々と思われているらしい。しかしこれは、そう思わざるを得ない価値観を、男たちが幼いころから植え付けられてきたためではないだろうか。
男性、女性に限らず、窮屈な価値観から自由になろうとする力こそ、フェミニズムの本質だと訴える著者。男女が真に分かり合うための、考え方を教えてくれる。(河出書房新社 1200円+税)