「暗闇のアリア」真保裕一著
娘に「もう生きていけない」という電話を残して経産省キャリア官僚の富川光範が死んだ。汚職の責任を取って自殺したと言われたが、妻の真佐子は、夫は自殺などする人間ではないと疑う。
真佐子から相談を受けた元刑事の井岡は当初、耳を貸さなかったが、富川と酷似した状況で自殺した実業家がいることが判明する。一方、真佐子は夫がゼミの後輩に接触していたことを知る。後輩が勤める企業はアフリカのオビアニアの内戦に使われたヘリの開発に関わっていた。
やがて、隣国のベファレシアでボランティアをしていた男が不審人物として浮上するが、彼は既に死亡していた。
アフリカ、ヨーロッパを舞台に展開するクライムノベル。
(KADOKAWA 1600円+税)