「蔵書の苦しみ」岡崎武志著
2万冊を超えた蔵書との闘いの日々をつづったエッセー。
本棚からはみ出した本は、やがて抑えが利かなくなり、その反乱は「災害」の域に達する。しかし、その一冊一冊はどれも思い入れがあるものばかり。いざ処分に取り掛かると血が流れるような痛みを感じる。それでも、本は売るべきだと著者はいう。その時点で、自分に必要かどうか見極め、新陳代謝を図るために、鮮度を失った本は一度手放すべきだと。
そんな痛みを感じながら2000冊を処分してみたが、大勢に影響はなく、さらなる処分が必要になった氏は、馴染みの古本屋にある提案をする……。
同苦を味わう作家らのエピソードやそれぞれの古本にまつわるウンチクなどを交えながら、蔵書を磨き上げていく過程をつづる愛書家必携本。
(光文社 740円+税)