「決戦、武甲山 大江戸秘脚便」倉阪鬼一郎著
飛脚問屋江戸屋の主・千蔵は、神社仏閣への代参専門の飛脚・代蔵から御城の近くで紅蝙蝠らしき3人組を見かけたと聞く。悪者の闇成敗というもうひとつの顔を持つ江戸屋に対し、蔵前の町飛脚問屋紅蝙蝠屋は裏で人殺しを請け負う悪人どもだった。
直後に、千蔵らの嫌な予感が的中し、江戸城本丸が焼失。放火と思われた。江戸屋に出入りする隠密廻り同心で御庭番でもある益満は、放火は紅蝙蝠を裏で操る山海上人の仕業とにらむ。若年寄から放火犯成敗の密命を受けた益満は、江戸屋の飛脚らを集め、黒五組を結成。秩父の武甲山に潜む山海上人を討つために鍛錬に取り掛かる。
得意の走力を武器に個性豊かな飛脚たちが活躍する人気書き下ろしシリーズ完結編。(講談社 660円+税)