「人と会う力」岡崎武志著

公開日: 更新日:

 2017年、座間で、SNSのやりとりだけで容疑者と知り合った男女9人が殺された事件に「旧人類」の著者は「恐怖」を覚えた。実際に生身の人間と「会う」ことからいろいろなことが始まるのだ。気が弱くて地味な少年だった著者は何回か転校したが、転校は「新しい自分」になれるチャンスなのだ。「いじめ」や「大きな失敗」も転校で帳消しにできる。また、「気が弱い」という負性を捨ててはいけない。大橋巨泉のように自説を曲げない人ばかりでは会話は成り立たない。人の意見に反対しないし、人の話を遮らない気の弱い人の存在が社会を生きやすくするのだ。

 生身の人間と出会うことの大切さを考えるエッセー。

 (新講社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット