「サラリーマンのごちそう帖」藤枝暁生著 阿部結/絵
現役サラリーマンが北海道から沖縄まで巡り歩いた41軒の酒場ガイド。ガイドといっても、住所、電話番号など店の基本情報が載っているわけではない。もちろん読めば場所の見当はつく。本書の読みどころは、暖簾をくぐって店内に入ったあとの情景(お客の人間模様とか料理の味とか)がまるで映像を見ているように鮮明にイメージできる点だ。
「周りを見渡してみれば、皆、お約束のように紺かグレーの地味なスーツ。色とりどりじゃない…。まあ、いいか…。いやあ、飲むほどに声が大きくなっていき、その声に被せるように更に大きな声で。流石はサラリーマンの聖地、恐るべし、駒忠殿」(築地・駒忠)
前著「サラリーマン居酒屋放浪記」の続編。
(朝日新聞出版 1500円+税)