「脱出老人」水谷竹秀著
「極上のセカンドライフ」を夢見てフィリピンに移住した人々の人生を追ったノンフィクション。
65歳の中澤さんは、40歳年下のフィリピン人妻と1歳の息子とともにセブ島で暮らす。高知市でタクシー運転手をしていた氏の前妻もフィリピン女性だった。東日本大震災後にセブ島に移住したが、前妻の浮気が発覚。その後も同地に住み続け、ナンパを繰り返した末に現在の妻と知り合ったという。
そんな年の差婚にはお金の事情が絡むケースがほとんどだが、スラムに暮らす吉岡さんは日当200ペソ(約540円)の仕事で家族を養う。
他にも、雪かき生活に疲れ秋田県から移住した岩渕さん夫婦など。さまざまな事情を抱え異国に渡った日本人に密着。
(小学館 690円+税)