「対岸の家事」朱野帰子著

公開日: 更新日:

 詩穂は、14歳で母を失って以来、すべての家事をこなしてきた。父は、それが当然のような態度で、一度も代わって家事をすることはなかった。

 高校卒業を機に、詩穂は父に黙って家を出て美容学校の寮に入る。美容師として働いていたときに出会った虎朗と結婚して、娘の苺を授かった詩穂は、仕事と家事の両立は自分には向いていないと、専業主婦となる。

 ママ友をつくりたいが、周囲は共働き世帯ばかりで孤独を感じる。マンションの隣室に暮らす共働きの礼子は、当初はそんな詩穂を時代遅れだと感じていたが、2人の子育てに疲弊し、最近では限界を感じている。そんな中、詩穂は公園で育児休業中の官僚・中谷と知り合う。

 育児や家事を担う人が抱える孤独をそっと癒やしてくれる長編小説。 (講談社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出