第一話 倫理的にあり得ない(30)お兄ちゃんがそう思うなら家族だよ
思いがけないことだったのだろう。安生は驚いた様子で直人を見た。
「直人?」
「僕に訊きたいことって、なに?」
直人は覚悟を決めるように、自分が背負っているリュックの肩ひもを両手で握る。安生は、こんどは直人に叫んだ。
「お父さんの言うことが聞こえなかった…
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