第一話 倫理的にあり得ない(31)私たちの約束ごと、覚えてる?

貴山が優しい笑みを、顔に浮かべる。
「よかった。嬉しいよ」
直人も笑う。
「そんなこと、当たり前だよ。お兄ちゃんの気持ちを、マロはちゃんとわかっているよ。ね、お父さん」
そう言って、直人は隣にいる安生を見た。同意を求められた安生が、恐る恐ると言った様…
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