(128)ぼくの花粉嚢は精液でいっぱい

忍冬の花も、踊子草も、沙羅の花も、栗の花もない。森の木下闇だけれど、四歳の綾瀬がしがみついた「中のものは全部ぼくのもの」の白いスカートだけは二十八歳の綾瀬の目の中で眩暈を誘うように揺れている。
二十六歳のエミューは、オレンジ色と白の羽衣の袖に四歳の綾瀬を包んで記憶の庭園…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,301文字/全文1,442文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】