ツイッギー来日で火が付いたミニスカートブーム
<1967年10月>
60年代、ロンドンでマリー・クワントが世に送り出し、モッズファッションとともに世界を席巻したミニスカート。ブームの火付け役となったツイッギー(当時18)は67年10月、マネジャー兼恋人同伴で来日した。ウエスト55センチ。“小枝”の愛称通りのスレンダーな肢体は国内を熱狂の渦に巻き込み、その人気は前年来日のビートルズに匹敵するともいわれた。しかし、ツイッギーはファッションモデル。来日したとはいえ、コンサートや劇場公演を行うわけではない。週刊誌には、仕事の合間に恋人同伴で遊ぶプライベート記事が並ぶ異色の事態となった。
10月18日午後4時半過ぎ、ツイッギーを乗せたスカンジナビア航空機が羽田に着陸。しかし、ミニを期待して集まったカメラマンの前に降り立ったツイッギーは、意外にも黒のキュロットスカートに毛皮のコート姿だった。デッキにはファンクラブが作った垂れ幕が掲げられたが、大きな混乱はなく、ツイッギーはホテルに向かった。
翌19日、偶然同時期に来日していたクリフ・リチャードとホテルでバッタリ。日枝神社の参拝や銀座での買い物は、やじ馬がぞろぞろと後ろにくっついてくるなどのハプニングも。午後3時半からの記者会見では、膝上20センチのミニで登場、記者たちをどよめかせた。爪を噛み、表情をクルクル変えながらのあどけないコメントに、記者からは「やっぱり18歳だねえ。すれてなくっていいよ」という声も出た。